2017/03/19

風になって消えてゆくのなら

風になって
吹いてゆくなら
なつかしい桜の花びらに
そっと触れながら
ゆっくりと吹いてゆきたい

風になって
吹いてゆくなら
あなたの頬を撫で
わたしはここよ

最後に告げたい

いつかこの身は朽ち
真白い灰となり
風に舞うほどに
かるくかるくなって
神様のもとへと吹いてゆくのです

できることは
あるのでしょうか
命の意味とは
いったいなんでしょう

たったひとつ
しあわせの記憶
たったひとつでも
どこかに残せるなら
それだけで
生きる目的は果たせるでしょうか

旅立ちに
見送られていた自分は
つい昨日のようで
遠い遠い過去でもあって
ただ
あなたの
ゆがんだ笑い顔が
浮かんでは
消えてゆくのです

あの日
手放してしまったものが
そのぬくもりが
まだ鮮明にここに残って
いつまでもわたしを迷わせているから

天国は遠く遠く
罪を悔いる時間は
あるのでしょうか
この孤独と
沈黙と
そこから
どうか
わたしをつよくしてください
どうか

わたしをあなたに
近づけてください
どうか
どうか

わたしを澄んだ風のようにして
あなたのいるところまで
吹き渡らせてください
いつか

いつか風になって
消えてゆくばかりのこの身ならば
いま
わたしをことごとく削ぎ落とし
かるくかるくして
言葉を授けてください

そうしたら
言葉は風のように
どこか遠くに飛んでゆき
わたしの命は
微かにも
輝きを見いだせるでしょう
その時
わたしを産んでくれた母に
わたしの生きた証を
届けることもできるでしょう

いつか
風になって消えてゆくのなら
このおもいを

燃やし尽くしたいのです



天国が近づいて


友はすでに幾人か、天国に旅立っていた。
でも、天国はまだ遠かった。
若かったこともあったけれど、悲しみが深く、あきらめられぬ思いがつよかった。
父が亡くなって、ふとした拍子に弟や義妹と
亡骸をどうしたいかというような話になった。
実家には 父が生前に新しくしていた立派な墓があった。
父はそこに入るのは決まっているが、自分たちはどうしたいのか、という話は
まったく予想も計画もなく、考えもしないことだった。

海に撒く、土にかえす、山で風に吹かせて・・・
そういうことを考えられたのは、父の旅立ちで天国が近づいたからだろう。
義妹も父親を見送っていた。
身内が天国にいるという思いは、どこかでは安らぎでもある。

風になって
土になって

どのような方法でも、お墓はいらない。
消えていくのが一番いい、というような話を義妹とした。
体が消えるのだから、高所恐怖症のわたしも、風になって舞ったり
山から散っていっても、なにも怖いものはない。

けれど、みんなまだまだするべきことが沢山あって
健康に自分の生活を守って、それからずっと後の話なのだ。
姉にまかせきりの母のことも、本当につらいものがある。

伝わることがあるなら、伝えたい。
母に、またありがとうを伝えたい。
姉にも。
ふるさとの桜が咲く頃が近づいてくると、心がしめつけられるような
申し訳なさで、いたたまれない。








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