2017/03/02

光る

暗がりに仄かに
光るところがあって
じっと見ていると
お前がその白い姿をあらわす

ほっそりとした体を
しなやかにくねらせ
思い切りのびをしてから
小さなあくびをする

おいで
おいで

手招きすると
声にならない鳴き声を発しながら
ゆっくりとこちらに向かって来る
お前の白い顔が
かすんでぼやけて
また闇のなかに消えていく

まだ
ここにいるんだね
お前の天国はここなの?
お前はたしかに
ここにいる

それなのに
どこに行けばお前に会えるのかと
どうしたら
この心が埋まるのかと
思案に暮れるわたしを
ゆるしておくれね

部屋の隅のいつもの場所
あの微かに光るところに身をひそめて
あれからずっと
わたしを見守ってくれているお前

わたしの猫よ
愛しい猫の子

天国に届く言葉をさずけておくれ
ここを真の天国にしておくれ

暗がりに隠れて
身をひそめているお前の
あの謙遜と愛で
愚かなわたしをみたしておくれ
もうどんなに悔いても帳消しにならない罪を
お前が知っている

だからそうやって
そんな暗がりに身をひそめて
わたしを見守っているのだね
明日
夜が明ければ
この雨は止み
日差しが溢れた出窓に
やわらかな膝掛を敷こう
お前の一等好きな場所で
思う存分日あたりしよう

おいで
おいで
光るところにいよう
いつまでも
あたたかいところにいよう

ここが
お前の天国にふさわしく
隅々まで日が差し込むようにしよう
ここでまた
天国に届くように
声にならない鳴き声で伝えておくれ
お前の謙遜と愛を
わたしの言葉にしておくれ

この光るところで

猫よ
わたしの猫の子よ



猫がくれたもの


最後の猫が天国へ行って、もう十年以上過ぎたのに、まだそこいらにいてくれる
そんな気配がします。
そうかと思えば、亡くなった父と共にいてくれているように感じたり
寒い夜には、母の懐に入って眠っているのではないかしら、と思うのです。

鳴かない猫でした。
爪もかけず、噛むことも、威嚇も怒ることもなく、それどころか
食べ物をねだることも、遊びをせがむこともなく、静かな
おだやかで温和で、平和そのもののような猫でした。

一日決まった時間に、決まった行動を、すべて人間に合わせて順序よく
規則正しくするのです。
それは最後の一日まで、必死に繰り返されました。
生きるということの、本当の姿とはこういうことではないか、と思わされました。
猫ながらあまりにもいじらしく、立派な生き方でした。

いきものは、もう飼いません。
最後の猫がまだ、ここにいてくれるからです。
わたしを励ましたり、なだめたり戒めて、声にならない鳴き声で
本当のこと、本当のしあわせを伝えています。

明日雨が止んで、明るい日差しがもどり
またあかるいところで、のんびり日当たりをするでしょう。
わたしも、あの猫の子と一緒に
あかるいところへいこうと思います。






猫の村にお越しくださり
ありがとうございます
ちからづけていただけましたら しあわせです
平和な一日でありますように 

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