2017/03/03

会いたい

会いたい
会いたい
いますぐに
あなたに会いたい

空は晴れて風もない
春が来たんだ

あの日はまだ冬の寒さ
あれから
また春が来たんだ

こんなに晴れわたった空にも
こころもとなくて
あなたに会いたい
ただ
あなたに会いたい

朝起きてから
夜眠るまで
ずっとあなたをおもう
あなたの言葉を繰り返す

わたしはとてもしあわせです

会いたい
会いたい
こんな朝は
あなたに会いたい

あなたはなんにも言わないけど
麻痺した体は
痛いんだろうと
きっと
痛いんだろうと

手をあたためて
ゆっくりと
さすってあげたい
痩せてしまったその体を

いま会いたい
あなたに

会いたい
会いたい
昼も夜も
あなたに会いたい

おまえはわたしに似ているから
しあわせになるって
そう言って泣いた
ぎゅっと
目をつぶって

手を握りしめ
眠りたい
子供にかえって
あなたの胸で眠ってみたい

いま会いたい
あなたに会いたい

ごめんね
そばにいてあげられなくて
春が来たんだよ

春になれば
きっといいことがあるよって
あなたは言った

わたしはとてもしあわせです

あなたは言った
目をうるませて

不自由な体に
自由な心を秘めて
あなたはどこまでも
わたしを励ました

ごめんね
ごめんね
そばにいてあげられなくて

春が来たよ
春が来たよ
よく晴れた
あたたかい春の日だよ


母を想う


想う、という柔らかい気持ちではないかもしれない。
朝目覚めた瞬間から、夜眠りにつくまで、頭の中に母はずっといる。
今の母も、少し前の母、昔の母も、さまざまな表情の母が脳裏をかすめる。
一日、母を想って暮らしている。
そして、母のお世話をしてくれている姉を心配して暮らしている。

病に倒れてから母は、姉と弟には甘えるようになった。
子供みたいに、駄々をこねるように無理を言ったり
自分でできることもやらせて、ちょっと気難しくふるまったり。
わたしには、そんな甘えた行動をしなかった。
毅然とした母親でいようと、頑張っていた。

これは、わたしが頑張れない駄目な子供で、励まさなくてはいけない子供だ
という気持ちが、どこまでも離れないからのようだった。
申し訳ないのと同時に、本当に情けないな、と思った。

母は、わたしを可哀相と言った。
お前は二番目で、おじいちゃんおばあちゃんがお姉ちゃんばっかり可愛がったから
いつもお古ばっかり着せて、ひとりで、可哀相だった、と。
そういう記憶がなかったので、驚いた。
小さい頃は、毎日のように隣に住むお婆さんの家に遊びに行っていた。
それはわたしがみそっかすなので、可哀相がって
みんなで面倒をみてくれたんだ、ありがたかった、と。

そんな母がたった一度、入院中にわたしにも駄々をこねた。
どうしても家に帰る、と言ってきかない。
わたしが東京に戻る日だった。

わたしには母親の顔をくずさない母が、不自由な体になってからも
わたしはしあわせです、と言ってくれるのは、姉がいてくれるおかげだ。
母と姉が交わした会話を聞く度に、わたしの知らない母の顔がある。
わたしには言えないこと、わたしではできないことを、姉がしてくれていた。
それは今も続いていて、姉には感謝しかなく、ただただ申し訳ない気持ちしかない。

立派な母に、わたしは似ていない。
だからこそ、頑張れという意味で、似ていると言ってくれたんだろう。
いつまでも励まさなくてはいけない、駄目な子供。
会いたい気持ちを、いつか良い報告ができるようにと
一日一日、母の頑張りを見習う力として、生きている。






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